我が家にも、招かれざる冬の珍客が
ついにやってきた。
一つは雪で、
もう一つはインフルエンザである。

金曜日の朝、いざ講演会に行こうと思ったら、
娘が熱を出していた。
こういうとき、母親は本当につらい。
後ろ髪引かれる思いで講演会に行くと
働く母親の大先輩である
その小学校の校長先生(女性)が
温かい言葉をかけてくださり
本当に救われた思いがした。
働く母親の先輩の言葉って
本当にありがたい。
自分もまた、もっと若い世代に
力となる言葉を残していかなければ。

で、家に帰ったら、娘はさらに赤い顔をしていた。
翌日、朝一番で病院へ。
インフルエンザだったら、
48時間以内にタミフル、だ。
急げや急げ!
土曜日、東京は朝から大雪である。
娘に洋服をしこたま着せ、
カッパも着せ、ベビーカーに乗せて
毛布をかぶせ、かさを持たせて
いざ出発である。
でも…ここで気がついた。
娘はすでに4歳。
ましてだるまのように着込んでいる。
かなりの重量である。
しかも下は雪が積もっていて、
ベビーカーを押すのに、ものすごい力が要る。
片手に傘をさして、片手で押す…なんて
そんな生半可な押し方じゃ、びくともしない。
哀れ母親は、自分の傘をたたみ
両手でぐいぐいと
ベビーカーを押して病院へ行く羽目に。
頭には、こんこんと雪が積もってくる。
白髪じゃない、冷たーい雪だ。
さらに不幸なことに、そのとき私は
白いロングダウンコートを着ていた。
人からは雪だるまに見えたに違いない。
ベビーカーを押す雪だるま…。
なんて哀れな光景だろう。

病院での診断の結果、
娘は立派なインフルエンザだった。
冬の珍客に翻弄された、この週末。
今週、私は仕事をしこたま抱え
娘は自宅療養となる。
雪だるまは今、その顔を青く変えている。