息子から「なんか面白い本なーい?」と
いわれたので、親ばかな私は
本屋に走った。
「なんかいいゲームない?」だったら
怒っただろうに、
親っていい加減なもんだ。

で、本を前に考え込んでしまった。
というのも先日図書館で見た
国語の教科書を思い出したからだ。
そこからは、
昔主流を占めていたはずの、
いわゆる純文学が姿を消し
流行作家の作品が堂々と掲載されている。
しかも小学3年の教科書掲載作品の
テーマは「淡い恋心」だったり。
余談だが、教科書の音読の宿題で
こんな「恋心」作品を
親の前で読まされる子ども達は
なんてかわいそうなんだ!!

それはそうと、そういうご時世。
今どきの子供(と、大人が想像する)が喜ぶ
ものを私も選ぶべきなのか。
親として読んでおいて
欲しいモノを選ぶべきなのか。

思い悩んだ末、手にしたのは…
日能研が出している本
「中学入試にでる名作100」。
「中学入試」に出るかどうかは別として
小学生の読む「名作」ってなんじゃい?
という疑問には答えてくれそうだ。
マニュアルバカな私は、即購入。

家に帰って、さっそく研究。
で、おったまげたのよ〜!
なめちゃいかん。中学入試。
そこには私の心を満足させる
古典的純文学はもちろんラインナップされているし
もうちょっと新しい大江健三郎(敬称略・以下同!)や
遠藤周作も登場。
さらには、河合隼雄だの
斉藤喜博といった古典的(といっては失礼か…)
論説だけでなく、
養老孟司や池田晶子、加藤秀俊なども
取り上げられている。
大江健三郎や池田晶子の子供用に
特別かかれたものは別として
(これらも中学生以上を対象としている)、
ほとんどが、大人用にかかれたもの。
これを小学生が読むの?と
思うようなものばかりである。

おそるべし、中学受験生。
こうした本を読んでいる小学生と
教科書だけ読んでいる場合とでは
どんな精神的な格差ができるんだろう…。
いや、そもそも
小学生の精神性に沿った
「いい本」がない、という気もする。

ラインナップされていた本のうち
何冊かは、すでに持っていた。
私が読んだ、赤線つきのものである。
息子に、それらを渡した。
「バカの壁? いちばん大事なこと?
ふーん。ママ、こんなの読んでるんだ。
線なんか引いちゃって」
そういわれて
なんだか頭の中身を覗かれたようで
無性に腹が立った。
小学生のくせにーーーーー!
バカにするなー!!!

そして私はあわてて、赤線の引かれた
「中学入試にでる 名作100」を
息子の目に触れないように
そっと隠したのであった。