2008年早々から少年による事件がおきました。
子供たちを取り巻く環境の改善が
これだけ叫ばれているというのに、
一向によい兆しがみられないのは、
なぜでしょう。
 仕事柄、よく学校の先生のお話を伺います。
そうすると「今は、親がね…」という話になります。
確かにお話を伺うと、もうまさに「そうですね」と
同意せざるを得ない、親の実態があるのです。
 一方、私は育児中の親でもあります。
親同士の会話からは、「今は、先生がね…」という
話が聞こえてきます。
これもまた、「そうですね」と同意せざるを得ない
教師の実態があるのです。
 よく似た話に、若者と大人社会というのもあります。
若者に話を聞くと「社会がよい雇用環境を
用意してくれないから、職につけない」といいます。
一方大人は「若者が働く意欲や資質に
かけているからだ」といいます。
たぶん、これも、どちらも正しいのでしょう。
 でも私たちは、今、こんな社会に生きているのです。
そして生き抜いていかなければいけないし、
若い世代にも生きていって欲しいと願っているのです。
 こんなたとえ話があります。
ある朝、学校へ急いで出かけようとした息子が、
お父さんの灰皿をあやまって蹴って
ひっくり返してしまいます。
するとある家庭では、
息子が「お母さんがちゃんと片付けないから」と怒ります。
お母さんはお父さんに「あなたが、床にに置くから
いけないんですよ」と怒ります。するとお父さんは息子に
「おまえが、遅刻ぎりぎりに家をでようとするから
いけないんだ。もっと早起きをしろ」と怒ったというものです。
 一方、ある家庭は、息子が「お母さん、ごめんなさい。
蹴っちゃって」と誤ります。するとお母さんは
「あら、片付けておけばよかったわね」といい、
お父さんが「ごめんごめん、私が床に置いたのが悪かった」、と。
明日、どちらの家庭が、
灰皿事件をおこさずにすむのかは、明らかです。

 このたとえ話を思い出すとき、
いつも後者の家庭のようにあらねばと思うのです。
自らを謙虚に省みて、今、自分がなすべきこと、
親としてできること、家庭でできること、
仕事でできることをやってみる…。
2008年はそんな「できること」探しに
精を出したいと思います。