ここのところ「奨学金」で若者が苦しんでいる…
というニュースが、話題になっているようです。



当会にも、
お問い合わせをいただいています。

結論から言うと…
当会は、「子どもの経済的自立」は謳っていますが
一度も子どもの「自立」のために
「奨学金で大学に行かせよう」というお話はしていません。
(ここでいう奨学金は、”利子付き”奨学金のことです)

アメリカの大学生は、自立していて
大学も自費で行く…なんて言われていますが、
アメリカの事情と日本の事情は大きく違います。
(給付型が少ない、一度社会に出てからトライできるような入試…など)

私は、あえて子どもに「自立」を促すために
奨学金を使う…という方法は反対という立場できました。

もちろん、現状進学資金がないという場合には
この限りではありません。
教育ローンより、独立行政法人日本学生支援機構の奨学金の金利は低いですし
在学中に猶予があるのもうれしい制度だからです。

親の預貯金を、もしもの時に備えにとっておきたい場合にも、
奨学金を利用していいと思います。
親の預貯金を使い切ってしまって、
いざという時に銀行でローンを組むとなると
金利は高くつきます。
そういったケースでは奨学金を利用し
もしも…がなければ、卒業時に繰り上げ返済してしまえばいいわけです。

ただ、子どもに「自立」を促すために
奨学金を使う…という方法は反対ということです。

理由は3つあります。

一つは、有利子である点。
もし親に預貯金があるなら、こんなソンな話はありません。
奨学金の金利は、スーパー定期の30倍以上なのですから。
(スーパー定期0.01%として、奨学金2016年2月中に貸与終了した場合の利率固定式の貸与利率0.33%
http://www.jasso.go.jp/shogakukin/seido/riritsu/riritsu_19ikou.html)。

二つ目は、若者の雇用状況の不安定さです。
大学を卒業しても、非正規雇用や就職も進学もしていない進路未決定者など、
安定的な職についていない人は5人に1人と言われています。
さらに大学卒業後3年以内に3人に1人が離職していることを考えると
奨学金の返済に不安を抱かずにいられません。
この雇用の不安定さについては
いろいろな原因があるでしょうが、「結果」としてみた場合
「返済困難」な事態に陥る可能性があることには変わりありません。

3つ目は、安易に「奨学金」を利用し
本人も親も「自立」した気になってしまうからです。
でも、お金は使っているときには、たとえ借金であっても
「使える」ことには変わりないものです。
借金は「使う」時より、「返す」時に大変な思いをするのです。
つまり、「使う」学生時代ではなく、「返す」社会人時代に苦労するということ。
それよりも限られたアルバイト収入で
学生時代に苦労をした方がいいと思うのです。

まずは、奨学金を利用してまで大学に行く価値があるか
よく検討することこそ子どもの経済的「自立」に大切なことだと思います。

大学に行くのは、モラトリアム的な理由からではないのか。
本当に大学で学ぶことが自分のキャリアになるのか。
自分が行かれる大学は、必要な力をつけてくれるのに
十分な教育機関として機能しているのか。
むしろ専門の技術を身に着ける方が「自立」につながるのではないか。

今や大学全入時代ですから、
大学生になること自体に価値があるものでもありません。

ところで、大学費用は驚くほど上がっています。
ここに「奨学金」を利用しなければならない人が増加した
理由があると思います。

気になって調べてみると、
私の入学した昭和60年と今では
私立大学の授業料平均額は、およそ1.7倍。
国立大学は2.1倍。
2倍前後といったところなのです。
親世代が、自分のイメージを引きずっていると
いざという時、痛い目にあいますから
気を付けなくてはいけません。

それにしても、授業料、上がりすぎです!
きれいなカフェテリアとか、びっくりするような立派なビルとか
学生の学びの場として必要⁉